「便利そうなサービスはたくさん見つかる。でも、自分の仕事には何が必要なのか分からない」
そんな方に、先にこの記事の結論をお伝えします。
仕事によっては、新しいツールを入れなくても、
- やり方を1つにまとめる
- 今ある機能を使う
- 入力方法を変える
- テンプレートを作る
だけで、かなりラクになることがあります。
この記事は、いわゆる「おすすめ業務効率化ツール○選」ではありません。
毎日の面倒な仕事から、自分に合う解決方法を逆引きする早見表です。
同じ入力、転記、予約、メール、確認作業……。
「大きなシステムを入れるほどではない。でも、毎日少しずつ面倒」
そんな小さな会社・店舗・個人事業の方は、まず下の早見表から自分の面倒を探してみてください。
業務効率化ツール早見表|面倒な仕事から逆引きする
| こんな面倒 | ツールの前に試すこと | 向いている方法 | 代表的な選択肢 |
|---|---|---|---|
| 同じ内容を何度も入力する | 入力元を1つにする | フォーム・自動記録 | Google Forms |
| メールの内容をExcelや表へ転記する | 最初からデータで受け取れないか確認する | アプリ連携・自動転記 | Make、Zapier |
| 予約をカレンダーへ手入力する | 予約の入口をまとめる | 予約システム | Airリザーブなど |
| 同じ質問に何度も答える | よくある質問を先に公開する | FAQ・定型文・自動応答 | メール定型文、各種自動応答機能 |
| 請求書・見積書を毎回作る | よく使う内容をパターン化する | 請求・会計サービス | freee請求書など |
| スタッフへ毎回個別に連絡する | 連絡場所を1つにまとめる | ビジネスチャット | LINE WORKSなど |
| 日程調整の往復が多い | 候補日の出し方を固定する | 日程調整ツール | Calendlyなど |
| SNSやGoogle向けの文章を毎回考える | 投稿の型を作る | テンプレート・生成AI | ChatGPTなど |
| ファイルを探す時間が長い | 保存場所と名前のルールを決める | クラウドストレージ | Google Driveなど |
| 毎日「確認するだけ」の作業がある | 異常時だけ分かる形にできないか考える | 通知・自動連携 | Make、Zapierなど |
※サービス名は代表例です。「このサービスを使えば必ず解決する」という意味ではありません。必要な機能、既存環境、料金、セキュリティなどを確認したうえで選びましょう。
気になる行が見つかったら、この後の該当セクションへ進んでください。
それぞれ、
の順に説明します。
ツールを選ぶ前に|考える順番だけ確認する
業務効率化というと、すぐに新しいシステムやAIを探したくなるかもしれません。
しかし、ツールはあくまで手段です。
MERVELTAでは、次の順番で考えます。
ORDER
- その仕事をなくせないか
- 今のやり方を簡単にできないか
- Excel・Google・メールなど、今ある機能で解決できないか
- それでも残る面倒に既製ツールを使えないか
- 必要ならノーコード・AI・自動化を使えないか
- 既製の方法では埋まらない部分だけ、専用の仕組みを検討する
なぜこの順番なのでしょうか。
新しいツールを1つ増やすと、
- 新しい操作を覚える
- アカウントを管理する
- データの置き場所が増える
- 他のツールとの行き来が増える
- 利用料金を管理する
といった別の作業も増えるからです。
新しいツールを入れずに解決できるなら、その方がシンプルです。
詳しい業務の分解方法は、繰り返し作業を自動化する方法|毎日の定型業務を減らす5ステップで解説しています。
この記事ではそこを繰り返さず、「この面倒には何を使えばいいのか」に集中します。
困りごと別|業務効率化ツールと解決方法
1.同じ内容を何度も入力する
たとえば、
- 紙に書いた売上をExcelへ入力する
- 申込内容をメールから一覧表へ移す
- 顧客情報を複数のファイルへ入力する
といった仕事です。
ツールの前に試すこと
まず疑いたいのは、同じ情報を複数回入力する必要が本当にあるのかです。
という流れなら、「最初からExcelやフォームへ入力できないか」を考えます。
入力先が1つ減るだけでも、作業は減ります。
向いている方法
入力内容が決まっているなら、フォームで受け取る方法が使えます。
代表例がGoogle Formsです。
フォームへの回答をGoogle Sheetsへ保存する設定ができるため、「回答を見ながらもう一度表へ入力する」という作業を減らせます。
向かない場合
紙での受付が必要な場面や、相手側の運用を変更できないケースもあります。
その場合は全面的に切り替えようとせず、変更できる受付だけフォーム化するという小さな改善から始める方が現実的です。
2.メールで届いた内容をExcelへ転記する
注文、申込、問い合わせなどをメールで受け取り、その内容をExcelへコピーしている場合、問題はExcelよりも受け取り方にあることがあります。
ツールの前に試すこと
という形へ変えられないか検討します。
向いている方法
メールで受け取る方法を変えられない場合は、MakeやZapierのような連携サービスが選択肢になります。
対応しているアプリ同士をつなぎ、
といった処理を組める場合があります。
向かない場合
メール本文の書式が毎回違う、判断が必要、添付ファイルの確認が必要、といった場合は単純な自動転記では安定しないことがあります。
その場合はツールを複雑にする前に、注文書や申込フォーマットを統一できないか検討します。
3.予約をカレンダーへ手入力している
電話、LINE、メール、口頭など予約の入口が複数あると、管理作業も増えます。
ツールの前に試すこと
予約の入口が散らばりすぎていないか確認します。
中心となる受付方法を決めるだけでも管理しやすくなります。
向いている方法
予約件数が多い場合は予約システムが候補です。
たとえばAirリザーブなどでは、ネット予約受付や予約管理などをまとめて行えます。
向かない場合
常連客の電話予約が中心の場合は、突然Web予約だけに変更せず、
電話も残す+Web予約も選べる
という併用から始めても構いません。
4.同じ質問への回答を何度も書いている
ツールの前に試すこと
まず一定期間、どんな質問が届いているか確認します。
繰り返し届く質問があれば、答えをホームページ、予約ページ、SNSプロフィール、FAQなどへ掲載します。
向いている方法
- メール定型文
- チャットテンプレート
- 自動応答
- FAQ
- 必要に応じてAI
などが使えます。
向かない場合
苦情、個別相談、契約判断などは自動化しすぎない。
答えが決まっている質問だけ仕組みに任せ、判断が必要なものは人へ渡します。
5.請求書・見積書を毎回似た手順で作っている
ツールの前に試すこと
よくある商品・サービスをパターン化できないか確認します。
向いている方法
請求件数が増えてきたら、freee請求書などの請求書作成サービスが候補になります。
向かない場合
取引先から書式指定がある場合は、必要な帳票形式へ対応できるか導入前に確認します。
6.スタッフへの連絡を毎回個別に送っている
ツールの前に試すこと
「連絡はここを見る」という場所を1つ決めます。
向いている方法
仕事とプライベートを分けたい場合は、LINE WORKSなどのビジネスチャットが候補です。
向かない場合
LINE+メール+新しいビジネスチャットのように連絡場所を増やさない。
ツールを増やすことより、「連絡はここ」と決めることの方が重要です。
7.日程調整の往復メールが続く
ツールの前に試すこと
候補を3つ提示する定型文を用意するだけでも負担を減らせます。
向いている方法
調整回数が多いなら、Calendlyなどの日程調整ツールが選択肢です。
向かない場合
取引先との関係や商習慣によっては、従来どおり候補日を提示した方が自然な場合があります。
8.SNSやGoogle向けの文章を毎回ゼロから考えている
ツールの前に試すこと
過去の投稿からよく使うパターンを整理します。
向いている方法
文章のたたき台作りには、ChatGPTなどの生成AIも選択肢です。
向かない場合
AIへ丸投げしない。
事実、料金、実績、個人情報などに注意し、AIには下書き、人が事実確認と最終判断を担当します。
9.ファイルを探す時間が長い
ツールの前に試すこと
保存場所を1つにし、ファイル名のルールを決めます。
向いている方法
複数人で扱う場合は、Google Driveなどのクラウドストレージが候補になります。
向かない場合
保存サービスを増やしすぎない。
新しいサービスより、現在の置き場所へ集約できないか先に考えます。
10.毎日「確認するだけ」の作業がある
ツールの前に試すこと
自分から見に行くのではなく、何か起きたときだけ知らせてもらう形へ変えられないか考えます。
向いている方法
既存サービスの通知機能をまず確認し、それで足りない場合はMakeやZapierなどの連携ツールも候補です。
向かない場合
安全、品質、法令、重要な金銭判断などに関わる確認は、人による確認を残す必要があります。
業務効率化ツールを選ぶときの4つの確認ポイント
1.本当に1つの面倒が減るか
高機能だからではなく、今困っているこの作業が減るかで判断する。
2.今使っているものと一緒に使えるか
現在の業務フローへ無理なく入れられるか確認する。
3.管理する手間が増えすぎないか
新しいツールを入れたことで、新しい確認作業が増えないか考える。
4.大事なデータを扱っても問題ないか
アクセス権、個人情報、アカウント管理なども確認する。
ツールを増やしすぎると、逆に面倒が増える
業務効率化の目的は、ツールを増やすことではありません。
仕事をラクにすることです。
- 1つの面倒に対して、まず1つの改善から試す
- 新しく入れる前に、今あるもので代用できないか確認する
- 実際に使ってみて面倒が減らないなら、無理に使い続けない
全部を一度に変える必要はありません。
面倒なところだけ、小さくラクにする。
よくある質問
結局、どの業務効率化ツールが一番おすすめですか?
誰にでも一番使いやすいツールはありません。
まず自分の面倒を特定し、「ツールの前に試すこと」から順番に確認してください。
無料のツールだけでも業務効率化できますか?
無料プランや、すでに利用しているサービスの標準機能から試せるケースもあります。
必要な機能・人数・容量・セキュリティなどによって有料プランが必要になる場合もあります。
AIツールは入れた方がいいですか?
文章作成、要約、アイデア整理などには役立つ場合があります。
ただし、AIを使うことではなく、面倒が減ることを目的にしてください。
ITに詳しい人がいなくても使えますか?
画面上の設定だけで始められるものもあります。
難しい仕組みから始めず、自分で理解できる範囲の改善から試します。
ツールを入れない方がいい仕事もありますか?
あります。
安全、品質、クレーム対応、契約判断、重要な金銭判断などは、効率だけで自動化を決めません。
自動化できるかではなく、自動化しても問題ない仕事かまで考えることが大切です。
まとめ|ツールから選ばず、面倒な仕事から逆引きする
- 業務効率化ツールは製品名からではなく自分の面倒から選ぶ
- 「なくす → 簡単にする → 今ある機能 → 既製ツール → 自動化 → 必要なら専用の仕組み」の順で考える
- 具体的なサービスは困りごとを解決するための選択肢として使う
- ツールを増やしすぎると管理という新しい面倒が増える
- 判断が必要な仕事まで無理に自動化しない
- 一度に全部変えず、まず1つの面倒から改善する
今日ひとつだけ選ぶなら、
毎日または毎週、同じように繰り返している面倒な仕事
を探してください。
そして、新しいサービスを契約する前に、
この仕事そのものをなくせないか?
もっと簡単にできないか?
今使っている機能でできないか?
と考える。
そのうえで残った面倒にだけ必要なツールを使う。
全部を変えなくていい。面倒なところだけ、小さくラクにすればいい。
それが、小さな会社に合った業務効率化の始め方です。